農業経営コラム
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【農水省で「子実トウモロコシ」の省内勉強会開催


『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則 
 

 7月14日、農林水産省で農水省職員に向けて子実トウモロコシ生産の現状と課題を伝える勉強会が行なわれた。参加したのは針原寿朗農林水産審議官を筆頭に別所智博技術総括審議官をはじめとする関係部局を横断した17名。一歩前進である。   
 勉強会では、まず筆者が概況説明の後、耕種農家として柳原孝二氏(長沼町)と盛川周祐氏(花巻市)が、さらに柳原氏のトウモロコシを通年で利用するようになった養鶏家の奥野克哉氏(加古川市)、盛川氏と地域内耕畜連携を始めている養豚家の高橋誠氏(花巻市)の二人が需要畜産農家サイドからの現状報告と課題を報告した。

 また、農水側の質問に答える形で、畑地で生産をしている立場から木村慎一氏(つがる市)と宮川正和氏(大潟村)が、谷地田の狭小排水不良圃場での生産について小泉輝夫氏(成田市)が、トウモロコシ栽培に伴う土壌改良効果について瀧島敦志氏(成田市)が、畜産農家として自らトウモロコシ生産を始めた理由を塚原昇氏(境町)がそれぞれ報告した。
 また、クボタ、ヤンマーが機械開発に関して、品種的可能性に関してパイオニアハイブレッドジャパンが説明した。
 
 需要サイドの動向として、昨年から某大手商社による畜産飼料用300tのテスト的供給ほか、ドン菓子、シリアルへの供給も始まっていること、さらに某食品メーカーに対してサンプルの提供が行なわれている。
 課題は、飼料メーカーへの場合も花巻市での耕畜連携の場合も、需要はありながら供給能力に限界があること。水稲、大豆との収穫時期が重なるために乾燥貯蔵設備の不足が面積拡大を妨げている。その対応として今月号の柳原氏の原稿にある米国製のドライビンを備えた乾燥貯蔵設備などの導入が必要だ。
 水田転作ではない畑地で生産している木村氏、宮川氏からは、せめて畑作でのソバ、麦などについている2万円の直接支払いがあれば助かるとの要請もあった。大豆その他との輪作によって経営全体の収益を上げていけるだろう。
 我が国のトウモロコシ輸入は、年間1200万〜1600万t。このうちNon-GMOの輸入量は150万tだと言われている。

 Non-GMOの輸入価格はおおむね3万円前後で推移しているが、今年1月には3万8千円を超えている。今後は高くなっても安くなることは考えにくい。とりわけNon-GMOを求める消費者であればこそ「国産」というマーケティング上のキーワードが生きるのではないだろうか。
 我々が作るトウモロコシは「国産Non-GMO」という世界のどこにもない新作物なのである。やはり国産の「ゆめちから」を使うパンの売れ行きも良い。デフレ競争をしてきた小売業や外食産業が不振であるのに「プレミアム」を標榜するセブン・イレブンの成功が示す消費の変化に注目しよう。
 我々は子実トウモロコシ生産に、飼料米のような国民の農業への支持を失いかねない過大な保護を求めない。低コスト生産に向けた生産努力は言うまでもないが、時代のマーケットは輸入品価格との比較ではなく「国産トウモロコシ」を求める需要者業界のニーズの高まりと様々な商品開発が進むことに期待している。そして、政策誘導ゆえではなくマーケット(消費者)ニーズゆえにトウモロコシ生産は進み得るのであり、過剰な財政負担によらない支援策を考えてもらいたい。

提供: <http://agri-biz.jp/> 農業ビジネス( <http://www.notsu.net/> 農業技術通信社




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